一般社団法人

港北医療センター

ご挨拶

横浜市港北区医師会 港北医療センター長 荏原千登里
(高田中央病院 医師)

この度、2023年7月より港北医療センター長に就任しました荏原千登里(えばらちどり)と申します。
地域医療における「かかりつけ医」の必要性・役割が増える中、スムーズな多業種連携ができる拠点となるように、2015年4月に港北医療センターが設立されました。従来より運営していた休日急患診療所、訪問看護ステーション、ケアマネメントステーションに加え、在宅医療相談室を設立し、この4組織をより密な医療連携・情報共有を可能にするための組織となっています。

港北区医療センター

港北医療センターは、休日急患診療所、訪問看護ステーション、ケアマネジメントステーションと市との共同事業、港北在宅医療相談室の4つの部門からなります。

休日急患診療所と新型コロナ感染症への対応

2020年2月、ダイヤモンドプリンセス号の横浜港寄港から始まったコロナ禍の3年間、横浜市港北区医師会は、新型コロナ感染症関連として以下の4つを行ってきました。

① 感染力最強を誇ったいわゆる既存株の時期より、ドライブスルーPCR検査を実施しました。:令和2年7月18日~令和3年4月17日(2回/週)633件(人)。新横浜公園で猛暑のなか汗だくになりながら個人保護具フル装備で出動していただいた医師会員の先生方に心より感謝しています。

② アルファ株の流行時期、コロナ流行後初の年末年始5日間(令和2年12月30日~令和3年1月3日)も、感染を疑う患者さんに対して休日急患診療所で65件のPCR検査を実施しました。

③ ワクチン入手困難な状況の中、医師会館で区内の医療従事者に対してワクチン接種を行いました。:2,561人(令和3年5月15日~7月31日)、354人(令和4年1月29日~3月12日)

④ ワクチン市民接種への医師派遣を、慶應義塾日吉キャンパス協生館、港北公会堂、綱島地区センター、日産スタジアム内スポーツ医科学センターに対して、出動医師のべ740人(令和3年5月~12月)、慶應義塾日吉キャンパス協生館に対して出動医師のべ220人(令和4年3月~8月)行いました。

休日急患診療所としての機能を越え、今までに誰も経験したことのない新型コロナ感染症に対して医療センターのスタッフおよび医師会員の方々が全面的に協力してくださったからこそ、少しでもお役に立ち地域医療に貢献できたと考えています。

医療・介護と在宅療養における相談窓口として

一方、訪問診療や訪問看護でお困りの方は、在宅医療相談室を窓口にケアマネジメントステーションでケアマネジャーを選んでいただき、介護保険を利用したケアプランを作成することができます。訪問看護ステーションから訪問看護師を派遣し、主治医の在宅医療の手助けと地域の皆様の介護と医療のお役に立てると考えています。

在宅医療相談室は、横浜市医師会の呼びかけに横浜市港北区医師会が応える形で発足し、運営が始まりました。医師会が相談室を運営する意義は2つあります。1つは、重度の要介護者など医療が関わらなければ在宅ケアが難しい方々をフォローできること。もう1つは、豊富な地域情報が集まる場所としてアドバイスや紹介が可能なことです。

現在、「要介護者が退院したがどうすればいいか」などの個人の悩みのほか、地域のケアマネジャーや看護師からも医療が必要なケースについて相談を受け、困っている方々へ適切な医療サービスをつなぐ役割を果たしています。

医療・介護は身近な問題ではありながら、自分自身が実際に直面してみると分からないことばかりです。区民の方々が不安に思っている時に、適切な医療サービスを提供するため、各事業が最大限に生かせるよう設立されたのが、この港北医療センターです。設立から8年、そのうち直近の3年間は新型コロナに翻弄された期間でもあります。今後は、これからの地域医療のプラットホームとなるべく、多様なニーズに応えられる多職種連携を充実させていきたいと考えています。