日本は、世界一の超高齢社会です。それに伴い、認知症の人が増加しています。認知症は以前は痴呆症と呼ばれ、病気であるにも関わらずその人格を否定されていました。それは認知症の人が、問題行動(BPSD)をするからです。認知症の人にとってこの行動には意味があるのですが、認知症に対する知識や対応した経験が無いとどのように対応して良いのか分かりません。特に、興奮している場合の対応は困難です。
港北区高齢者支援ネットワークでは、認知症の人と接しているケアマネジャー、介護士、看護師などがどのような対応をしたら良いのか、その豊富な経験を出し合って、まとめました。このガイドは、皆様の認知症対応のスキルアップに役立つものと信じております。
港北区高齢者支援ネットワークにおいて、度々認知症対応について研修会を開催し多職種で学びを深めてきました。実践者の求めているものは、さらなる具体策でした。そこで、高齢者支援ネットワークより「認知症対応プロジェクトチーム」を立ち上げ、港北区内の認知症の方への関わりの具体例を集めて、実践可能な事例対応ガイドの作成をすることになりました。
BPSDをはじめとする認知症症状への様々な対応事例をまとめ、誰でも自由に利用できる情報源をつくる目的で2019年6月に第1回 認知症対応プロジェクト会議が開催されました。このプロジェクトは、港北区ならではの地域密着型の高齢者ケアの実践を英知としてまとめることでした 。
2年が経過した第15回からは認知症対応ガイド検討委員会として継続的に活動をすることが決定しました。完成するまでの間には、新型コロナ感染症による緊急事態宣言が3回もありましたが、熱意あるメンバーのおかげでガイドを完成することができました。
ガイド作成には、地域で認知症ケアを行う方々のアンケートのご提出が何よりも大切な資料となりました。アンケートを記載していただく皆様の現場は何処も人手不足で、交流会に参加をしたくても時間が取れない状況でした。このアンケートに記入していただくことで、皆様の貴重な経験が一本の糸となり、繋がってネットワークを形成し、そのネットワークが地域の誰かのケアのヒントとなり、一人一人の支援者のスキルアップに繋がることを願っています。
ケアをする側とケアをうける側が安心して地域で生活し続けるために、本ガイドを活用して頂ければ幸いです。
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