▼事例提供者
訪問看護ステーション 看護師
▼背景や生活状況、病状など
夫と2人暮らし。日中独居。介護全般に拒否があり、特に入浴は1人で入れなくなってから半年以上入っていない。
▼症状・BPSDに対して行った支援
毎回同じ看護師が訪問し、毎回同じ手順で入浴介助をした。浴槽に入ると落ち着き、拒否が減るため、少なめにお湯をはり、はじめから浴槽に入ってもらって身体を洗ったり洗髪をした。また、本人が好きな歌のCDをかけて歌いながら脱衣すると気が紛れ、抵抗が少し減った。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
入浴に対する拒否は少なくなった。自ら進んで入ることはないが、同じ手順、同じ介助者、同じ声掛けをするようにしたことで、入浴は安全にできると理解できた様子。皮膚の状態が改善した。
▼事例提供者
訪問看護ステーション 看護師
▼背景や生活状況、病状など
本人と妻・息子さんの3人暮らし(日中は夫婦のみ)。夫婦とも認知症があり、訪問介護を利用している。
▼症状・BPSDに対して行った支援
「お風呂に行きましょう」と誘うと拒否がある為、まずはトイレに誘導し洗面所で手を洗う際に、「ズボンが汚れているので着替えましょう」と言いながら、本人の拒否がある前に衣服を脱ぐのを手伝った。「ついでに洗いましょう」と、事前に入浴できるように準備をした浴室にすぐに誘導した。「~しましょうか?」と問うと本人が拒否する為、疑問形は使わないよう気をつけた。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
スムーズに入浴し、「気持ちいい」と喜んでいた。
▼事例提供者
訪問看護ステーション 看護師
▼背景や生活状況、病状など
独居であるが、本人の世話は元妻が行っている。脳梗塞後、認知症が発症し、ケアへの拒否がある。
▼症状・BPSDに対して行った支援
介助者が1名では入浴してもらえなかったため、2名の介助者で対応した。1名は話しかけを続け、気を紛らわせるように関わった。その間に、もう1名が入浴の介助を行った。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
介助者を2名体制としたことで、入浴できるようになった。
▼事例提供者
訪問看護ステーション 看護師
▼背景や生活状況、病状など
妻と2人暮らし。娘が近隣にいるが、ほぼ妻が介護している。漠然とした不安があり、救急車を頻回に呼んだり、往診の拒否があるため、訪問看護が導入された。
▼症状・BPSDに対して行った支援
医師に相談し認知症治療薬が処方された。 デイサービスは、半日利用を選び、入浴できるように調整をした。 自宅での入浴は、本人が入りたい時に入れるように調整をした。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
半日のデイサービスで入浴ができている。訪問看護でも入浴できるようになった。訪問看護の導入により生活状況の把握や医師やケアマネジャーと連携がとれ、妻の介護負担が減った。
▼事例提供者
訪問看護ステーション 看護師
▼背景や生活状況、病状など
独居。デイサービスの利用は拒否がある。
▼症状・BPSDに対して行った支援
世間話をして気持ちをほぐしてから「足浴をしましょう」と声掛けをして、浴室で脱いでもらいながら入浴の誘導をした。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
入浴時は気持ちよいと話し、毎回入浴は出来ている。
▼事例提供者
訪問看護ステーション 看護師
▼背景や生活状況、病状など
夫と2人暮らし。日常生活動作は車椅子で移動し、立位保持は短時間で何かにつかまれば可能である。日常生活全般に介助が必要である。時々、興奮し、夫や介助者に対して暴言がある。訪問看護を週2回利用し、シャワー浴介助を受けている。
▼症状・BPSDに対して行った支援
「背中にかゆみやひっかき傷があり、その状態を見せてほしい」「先生から薬を塗ってほしいと言われている」と伝え、衣服を脱いでもらうようにした。その後、「シャワーで流してから薬を塗りましょう」と声をかけて、シャワー浴を行った。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
毎回同じような声掛けや手順だと拒否なくシャワー浴ができることが多くなった。
▼事例提供者
特別養護老人ホーム 介護職
▼背景や生活状況、病状など
特別養護老人ホーム入所中。食事・排泄・入浴は全て全介助。日中はほとんど車椅子に座り、ラウンジで過ごしている。夜間、自分の便を触っていることが時折ある。
▼症状・BPSDに対して行った支援
声を荒げた時でも穏やかに声掛けをしていった。 その場その場で会話は成り立ったため、銭湯の店員を演じながら 「私、今日の夜ご飯食べるお金がなくて…働かないといけないんですー」「せっかくだから〇〇さん、さっぱりしていってください」など会話に意識を向けた。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
会話に意識を向けることで、湯舟に浸かる頃には落ち着いた。大きな声を出したり、介助者に手を出す行動はなくなった。
▼事例提供者
訪問看護ステーション 看護師
▼背景や生活状況、病状など
要介護の夫と2人暮らし。息子さんとお孫さんが時々来る。両下肢のしびれがあり、ヘルパーがケア(3回/日)を行っている。物忘れがあり、怒りっぽく拒否もある。
▼症状・BPSDに対して行った支援
訪問時、「お邪魔しまーす」と大きい声で言いながら入室。夫と本人1人ずつに名前を呼んで挨拶する。本人から「誰」と言われたら顔を見せて名乗るようにした。先生からの指示というと本人の拒否が減るため、「先生に来るように言われて訪問しています」と訪問目的を説明した。イライラしている時は、時間をおいて話しかけたり、本人が好きな話(昔の事など)を話しながらタイミングを図った。シャワーへは「〇〇さん、背中かゆくないですか?先生が背中の傷に薬出してくれてるから見せてくれませんか?」「少し古い薬を洗って、新しく塗りましょう」「〇〇さんは毎日お風呂に入ってるので簡単にしか洗いませんよ。」など声をかけながら浴室へ誘導した。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
イライラした様子の時も、本人の好きな話をしていると徐々に穏やかに話をするようになる。シャワーも同様な対応をすることで、入れることが多くなった。
▼事例提供者
訪問看護ステーション 看護師
▼背景や生活状況、病状など
2年前、骨折で入院中に2回は入浴出来たが、それ以降は入浴できていない。退院を機に訪問看護が入っている。(2回/月 30分か1時間) 骨折による痛みがあったが徐々に軽快し、ベッドからトイレ、トイレからイスに自力で移乗出来るようになってきている。
▼症状・BPSDに対して行った支援
大きな声を出している時は、妻に状態の聞き取りをしてすぐに退室した。比較的会話できる時は、テレビや趣味の山登り、好きな日本酒の話をしながら関係性を築いていった。3回目に足浴を促した時は、「医師から血圧の研究を頼まれているので足を湯につけるのに協力して下さい」という説明をした。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
1年に3回足浴を行うことができた。足浴できた時は、爪切りも出来、「随分、伸ばしていたんだな」と落ち着いた言葉が聞かれた。
▼事例提供者
訪問看護ステーション 看護師
▼背景や生活状況、病状など
独居。隣の家に娘さん夫婦が住んでいるが、仕事をしているため介護が出来ず、家政婦さんを24時間利用している。歩行は自立しており日常生活動作も自分の意思で出来ているが、周囲の声掛けや指示に対して拒否がある。デイサービスを利用し入浴を行う予定だったが、拒否がある。3分前のことは忘れてしまう。
▼症状・BPSDに対して行った支援
お風呂、シャワーなど入浴に関する言葉は使わないで、「立って下さい」「歩いてください」「掴んでください」と、今行うことだけを伝え、お風呂の話はせず、別の話をしならがら誘導した。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
入浴でき、自然に「気持ち良かった」と声がきかれた。改めて感想を聞くと「たいしたことないね」と話す。入浴は自分でできていると思っているため、介助されたことも忘れている。次回以降も同様の対応で入浴が出来ている。
▼事例提供者
デイサービス 介護職
▼背景や生活状況、病状など
息子さん家族と同居。日中は1人で過ごしている。穏やかであるが頑固なところもあり、プライドが高い方。髪は、カツラを使用していることを気にしている。話は理解できる時とできない時がある。
▼症状・BPSDに対して行った支援
特定の職員が1人で対応する事にした。コミュニケーションを多くとり、信頼関係が取れる様に対応した。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
徐々に信頼関係が築け、何回か行っていくうちに洗顔が出来るようになった。段階的に、洗髪やカツラを被らないで他利用者との入浴ができるようになった。本人は明るくなり、他利用者との交流も増え、どの職員が対応しても大丈夫となった。
▼事例提供者
デイサービス 介護職
▼背景や生活状況、病状など
夫と2人暮らし。夫が妻の介護をするのは難しい状況である。昔、洋裁が得意だった。
▼症状・BPSDに対して行った支援
まず、じっくり話を聞き、タイミングを見計らって、服の話や孫の話へと徐々に話題を変えていった。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
しばらく話をすすめていくと笑顔が見られ、落ち着いてきて、他の利用者と談笑したり、スムーズに入浴できるようになった。
▼事例提供者
介護老人保健施設 介護職
▼背景や生活状況、病状など
夫婦2人暮らし。ピックアップ(四点歩行器)にて歩行が可能である。デイサービス(週3日)を利用している。入浴時に拒否がある。
▼症状・BPSDに対して行った支援
入浴とは違う話題で声掛けをして、脱衣所に誘導した。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
誘導にて脱衣し入浴することができた。もともとお風呂は好きらしく、全身温まると「気持ちいい」と笑顔になり、体を洗う時には声をかけて、痒い所を手伝いながら行うと嬉しそうな様子が見られた。
▼事例提供者
デイサービス 看護師
▼背景や生活状況、病状など
夫婦と娘さんで住んでいる。「肩が痛い」「腰が痛い」「足がむくんでいるから」などを理由にデイサービスを休むことが多い。休むということを電話したことも忘れてしまう。
▼症状・BPSDに対して行った支援
「足のむくみを看護師がみさせてもらうので」と何度も話して来所してもらえるようにした。来所後は本人が慣れているスタッフがうまく浴室へ誘導した後、看護師から入浴について説明をするようにした。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
浴室でも拒否があったが、何度か説明をするうちに、入浴出来るようになった。入浴中は「入っちゃえば気持ちいいのよね」と話した。
▼事例提供者
訪問看護ステーション 看護師
▼背景や生活状況、病状など
夫とお孫さんと3人暮らし。敷地内に娘さん家族が住んでいる。認知症に対し内服治療開始されたが食欲低下や日常生活動作の低下があったため、家族の希望にて内服を中止している。
▼症状・BPSDに対して行った支援
「歩く訓練」と言ってお風呂場まで一緒に行き、「お手伝いします」と声をかけた。お風呂に入って「気持ちがいい」と話したため、共感した。
▼結果(その後のご本人、介護者の状態)
お風呂に入るまでは拒否があったが、入ってからは満足した様子で笑顔もみられた。